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職種・業界に特化したマーケットデータの活用方法「ITエンジニア 社内SE (社内情報システム)」編

▼ 2023年8月21日に公開した記事です ▼

採用をスムーズに進めるためにマーケットデータを活用した求人の要件定義・求人票作成は重要です。

今回はマーケットデータを簡単に検索できる「HR forecaster (エイチアール フォーキャスター)」を活用して、「社内SE (社内情報システム)」の採用を行う方法を、パーソルキャリアHR forecasterサービス企画の斎とITエンジニアの専門担当が説明します。

斎 伊織
パーソルキャリア株式会社 サービス企画統括部 サービス企画部 リードディレクター
2018年より、パーソルキャリア株式会社に新卒で入社。
dodaエージェントサービスの法人営業として、IT・コンサル領域を中心に業界の中小~大手企業の採用支援に従事する。
大手企業を専門に担当する新設の営業部に異動後、各種社内表彰を受賞。
現在はサービス企画担当として、HR forecasterなど、複数の新規サービス開発を務める。


要件定義の重要性

要件定義とデータ活用の重要性

中途採用を成功させるために、「求人の要件定義 = 採用ターゲットの明確化」がポイントとなります。
要件定義を実施することで、以下のようなメリットがでてきます。

・ターゲットの妥当性の確認ができる
・関係者間での共通理解がしやすくなる
・採用施策を具体化できる

しかしながら、経験則だけ要件定義を行うことは困難であり、マーケットデータの活用が大きなポイントになります。
マーケットデータを活用することで3つの効果が得られると考えられます。

・論理的に妥当性を確認できる
・合意形成の根拠になる
・PDCAが回せる、ネクストアクションでどうすれば良いかが分かる

改めてマーケットデータを活用することで、効果的な採用活動ができるようになります。


要件定義・採用施策を考える際のポイント

冒頭、要件定義の重要性とデータを利用する重要性について説明させていただきました。
ここで要件定義と採用施策を考える際のポイントですが、次の4点があります。

このうち、以下のデータについては、「HR forecaster」で取得が可能です。

・年収
・ターゲット人数
・競合状況

しかしながら、「候補者の志向性」については提供していません。

そこで、今回のテーマとなる「社内SE(社内情報システム)」を含む「ITエンジニア」についての志向性や求人の動向について説明していきます。

なお、今から提示するデータはパーソルキャリアの調査部門による結果です。


ITエンジニア経験のある求職者の志向性

ITエンジニアの志向性

「ITエンジニア」の転職理由1位は「ほかにやりたい仕事がある」で、前年度から変化はありませんでした。しかし、「専門知識・技術を習得したい」が1.8pt増加し13.2%で2位となり、新しい技術習得のために転職活動をする人が増えました。

新型コロナウイルスの影響もあり、候補者がスキルを身につけなくてはいけないと感じたことが順位変動の理由として考えられます。

その上で企業はどういったところをアピールすべきなのでしょうか。

これまでのように「上流工程」「自社開発比率が高い」「自分の経験と開発環境の親和性」は引き続きアピールすべきポイントとなりますが、働き方改革の流れを受け、「働きやすさ」を重視する転職希望者が増加している傾向があります。

採用を成功させるには、社風やエンジニアをどれだけ大切にしているのか、リモート渦での採用の支援、教育方法など、リモートになったからこそ候補者が気にするようになったポイントを求人票に明記することが必要です。


社内SE (社内情報システム)の動向

■ 登録者の動向
「社内SE (社内情報システム)」
の全般的な動向としては、2021年6月~8月の登録者数は2021月3月~5月対比で95%と微減しています。
ただし、職種全体の登録者数は、6月、7月で減少傾向にあったものの、8月には増加傾向に転じているので時期要因が高いのかもしれません。
年齢構成としてはこれまでと同様に、ほかの職種と比べて41歳以上の比率が33%と高くなっています。

転職理由に関しては、依然スキルアップや就業環境改善が理由に挙げられる一方で、高まるDX推進の流れの中で、自身のスキルや市場価値に対する不安から転職を視野に入れる方も一定数いるようです。


■ 求人の動向
求人の動向としては、2021年6月~8月の求人数は2021月3月~5月対比で113%と微増となっており、求人数については引き続き増加傾向にあります。

これまでは上流工程経験者のみの採用を行っていた企業が内製化を推し進めるために技術志向の人材を求めたり、コロナ禍によるサービスや事業の変化に伴い該当領域に知見のある人材の採用を求めたり、若手を採用するなど、求人要件は多様化しています。

そのため、若手であってもスキルを持っている方でも、採用難易度は高くなっています。


■ まとめ
システムに対する投資をどれだけ行えているかが訴求ポイントとなります。

これまでのトレンドと変わらず、社内SE希望者は変わらず多いものの、一方で求人数も増えています。
そのため、これまで以上に該当ポジションだからこそ積める経験やキャリアパスなどについての訴求が求められています。

また、社内SE経験者の転職理由として、在籍中の会社でシステムに対する投資が少なく、自身のスキルアップではなく現状維持だけを求められる、ということを不満に感じ、それを理由に転職活動を行う方も多いため、システムに対する投資を活発化させているなどの動きがあればその点が訴求ポイントになり、魅力を感じる求職者は少なくないと考えられます。


ケーススタディによる「HR forecaster」のデータの読み解き方

HR forecasterでのデータの読み解き方についてみていきましょう。
実際に、数字を見ながらどういった施策をとるべきかケーススタディの中で説明していきます。

なお、ここからはIT人材採用をメインで担当するリクルーティングアドバイザーからの補足や対話をしながらご説明をさせて頂きます。


ケーススタディ①:オファー年収が候補者の平均年収と乖離している&競合する他社求人数が多い

社内SE経験3年の人材で調べた際の「HR forecaster」の診断結果です。

このケースで注目したいポイントは、「平均年収」「競合する他社求人数」となります。
設定したオファーの年収と平均年収に134万円ほどの乖離が見られます。

また「競合する他社求人数」が1,100社以上存在しており、なんらかの目立つ部分がないと応募してもらうのが難しい状況です。

そういった中で数値から見える打ち手として主に3点あげられます。

①年収UP
②ターゲットの変更
③現状維持で他の優位性を創出する


■ ITエンジニア担当
この中で、多くの企業が一番目に行う打ち手は「③現状維持で他の優位性を創出する」です。

「①年収UP」「②ターゲットの変更」に関しては、社内の給与テーブルとの兼ね合いや現場からの強い意向のため簡単に変更ができないことが多いため、採用フローの最適化や求人票の見直し・打ち出しの強化が最初に着手しやすい対応となります。

ただし、これらだけで採用がうまくいくことはあまりないので、採用を開始してから「①年収UP」「②ターゲットの変更」を行うのが多くの企業の流れです。

候補者の多くは、年収をアップしたい、少なくともステイしたいという意向が強いです。

そのため求人を検索する際に、自身の年収より最低でも50万円以上高くするケースが多く、「条件を満たす人材の平均年収」より低い提示額になってしまうと、(doda上では)検索される回数が少なくなります
条件の年収は変えなかったとしても下限のみは近づけてみる、または上限年収を少し変えてみるといった工夫をすることで検索に引っかかる確率が高くなるでしょう。

このように候補者の検索の仕方も考慮にいれて年収を設定する必要があります。

年収を変更できない場合は、設定した年収に該当するスキル感の候補者をターゲットするなど、ターゲットの要件を変える必要があるでしょう。
年収を変更するのかターゲット要件を変更するのかが社内の中での検討ポイントとなりますが、決めきれない場合はエージェントに相談いただくことによって第三者の視点での提案や情報提供をさせていただきます。

外部の人間の意見も参考にしながら決定することで、よりよい判断ができるのではないでしょうか。


ケーススタディ②:条件を満たす候補者数が少ない

この場合は、「採用決定までの平均日数」「条件を満たす候補者数」がボトルネックとなります。

「採用決定までの日数」が出ているので弊社の採用支援実績はあるものの、「条件を満たす候補者数」が約50人はかなり厳しい状況です。

打ち手としては
1.ターゲットの変更
2.現状維持で他の優位性を創出する
3.現状維持で、個別スカウトの実施
4.採用チャネルの拡大
といったことが考えられます。


■ ITエンジニア担当
この中で、「②現状維持で他の優位性を創出す」は母数がそもそも少ないので、「採用フローの短縮」「求人票の刷新」ではカバーしきれないのが現状です。
そのため、ターゲットを変更せずに採用を狙っていくのであれば、現場と話し合い「4.採用チャネルの拡大」の検討をおすすめします。ターゲットを変更するのであれば新しい要件を決定することが必要です。

要件を決める際には、次の3ステップを行うとよいでしょう。

1.必要なスキルを洗い出す
2.それらスキルの優先順位をつける
3.マーケット情報をみながらスキルを本当に求めるべきかをチェックして合意をめざす

今回のケースのように求める全てのスキルを条件にいれてしまうと候補者が少なくなってしまうため、どこまで条件を削れるかを確認する必要があります。
現場と話す際には納得度が変わるので、データの提示をおすすめします。

よりよい詳細なデータがほしい場合は、「dodaへ相談する」というボタンを押していただくことで、詳しいデータを担当営業から提供できます。一例として「社会人経験年数の分布」が提供可能です。

年齢の条件もある場合に、分布を見ることで年齢変更の検討に利用できます。


ケーススタディ③:競合する他社求人数が多い

社内SE経験1年目以上の採用を考えているケースをみていきます。

ここで注目したいのが「競合する他社求人数」です。6,000社を超えており、かなり多い状況といえます。
コロナ渦で、他業種も社内エンジニアを求めており、採用する業界が拡大しています。

経験社採用が難しいため経験がなくても自社で育てようという観点で若手を求めているケースが増加しており、求人数が増加傾向にあります。


■ITエンジニア担当
この状況だと候補者に求人を見てもらうだけでもかなりハードルが高いです。
そのような中、1つ目のポイントとしては求人票の魅力化が重要になってきます。

「何ができるのか」「誰と働くのか」「リモート環境下ではどうやって馴染めばいいのか」など業務の話だけでなく、キャリアパスなど将来に関することを記載することで若手の目に止まりやすくなります。

競合数が多い中で30日以上応募がとれないと新しい求人票に埋もれてしまいます。そのため求人票公開から30日までが勝負という点を覚えておいていただければと思います。

2つめのポイントとしては、エージェントとの連携を強くすることです。

エージェントもいきなりベストな候補者を出せるわけではないため、推薦した候補者を見送った理由、見ていたポイントを共有いただくことで推薦する人材の精度をあげることができます。
30日間で応募者を獲得するために、求人票をきちんと届ける、また届ける相手の精度アップを実施していくことがカギとなります。

それらをやった上で、どうしても応募がこない場合は、年収アップ採用フローの短縮個別スカウトの実施などを検討していく必要があります。


求人票に書くべきこと

ひな形の項目を抜け漏れなく書けば、どのターゲットでも内容に過不足はないでしょう。

特に「自社概要と主軸事業」「自社の課題」「求める人物像」をストーリーになる形で書くことをおすすめします。
業務内容をぎっしり書く企業も多いですが、候補者が自分向きの求人であるかないかを判断する重要ポイントになることが多いため、採用背景はしっかり記載してください。

「業務内容」では、特に「入社後にお任せする業務/将来的にお任せしたい業務」が重要です。今と未来に関する軸で記載することで候補者もイメージしやすくなります。

これらをしっかり書いていただいたあとで、さらに若手なら若手向けに文言を調整していただくことでより精度をあげることができます。


まとめ

最後に、マーケットデータはコンパスと同じです。

要件定義や求人票をしっかり作成して、エージェントとも連携したにも関わらず採用がうまくいかなかった場合は、データを根拠にすることで現状の確認や何を変更したらいいのかの修正がしやすくなります。

今までなんとなくイメージで採用していたところから、データをもとに調べてから募集を開始することで、他の企業とも差をつけやすくなるのではないでしょうか。

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