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職種・業界に特化したマーケットデータの活用方法 「ITエンジニア 業務系アプリエンジニア職」編

▼ 2023年8月8日に公開した記事です ▼

採用をスムーズに進めるためにマーケットデータを活用した求人の要件定義・求人票作成は重要です。

今回はマーケットデータを簡単に検索できる「HR forecaster(エイチアール フォーキャスター)」を活用して、「ITエンジニア 業務系アプリエンジニア」人材の採用を行う方法を、パーソルキャリアHR forecasterサービス企画の斎が説明します。

斎 伊織
パーソルキャリア株式会社 サービス企画統括部 サービス企画部 リードディレクター
2018年より、パーソルキャリア株式会社に新卒で入社。
dodaエージェントサービスの法人営業として、IT・コンサル領域を中心に業界の中小~大手企業の採用支援に従事する。
大手企業を専門に担当する新設の営業部に異動後、各種社内表彰を受賞。
現在はサービス企画担当として、HR forecasterなど、複数の新規サービス開発を務める。


要件定義の重要性

要件定義とデータ活用の重要性

中途採用を成功させるために、「求人の要件定義 = 採用ターゲットの明確化」がポイントとなります。
要件定義を実施することで、以下のようなメリットがでてきます。

・ターゲットの妥当性の確認ができる
・関係者間での共通理解がしやすくなる
・採用施策を具体化できる

しかしながら、経験則だけ要件定義を行うことは困難であり、マーケットデータの活用が大きなポイントになります。
マーケットデータを活用することで3つの効果が得られると考えられます。

・論理的に妥当性を確認できる
・合意形成の根拠になる
・PDCAが回せる、ネクストアクションでどうすれば良いかが分かる

改めてマーケットデータを活用することで、効果的な採用活動ができるようになります。


要件定義・採用施策を考える際のポイント

冒頭、要件定義の重要性とデータを利用する重要性について説明させていただきました。
ここで要件定義と採用施策を考える際のポイントですが、次の4点があります。

このうち、以下のデータについては、「HR forecaster」で取得が可能です。

・年収
・ターゲット人数
・競合状況

しかしながら、「候補者の志向性」については提供していません。

そこで、今回のテーマとなる「業務系アプリエンジニア職」を含めた「ITエンジニア」についての志向性や求人の動向について説明していきます。
なお、今から提示するデータはパーソルキャリアの調査部門による結果です。


ITエンジニア経験のある求職者の志向性

ITエンジニアの志向性

「ITエンジニア」の転職理由1位は「ほかにやりたい仕事がある」で、前年度から変化はありませんでした。
しかし、「専門知識・技術を習得したい」が1.8pt増加し13.2%で2位となり、新しい技術習得のために転職活動をする人が増えました。

新型コロナウイルスの影響もあり、候補者がスキルを身につけなくてはいけないと感じたことが順位変動の理由として考えられます。


ITエンジニアの採用動向

■ 登録者の動向
「ITエンジニア」全般的な動向としては、現在、30歳以下の登録者が全体の半数以上を占めており、未経験者採用や第二新卒枠のポテンシャルを重視した採用も多い状況です。
ただし、2021年6月~8月の全体の登録者数は2021年3月~5月対比で93%と減少しています。

転職希望先としては、経験を活かして業務系アプリケーションエンジニア・プログラマとして転職する方が約半数を占めているものの、社内SEやWebサービスエンジニアのポジションを志望するケースも増加しています。

また、異業種・異職種へ未経験で挑戦するキャリアチェンジ志向も増加傾向にあります。


■ 求人の動向
求人の動向としては、2021年6月~8月の求人数は2021年3月~5月対比で112%と増加しています。

今まで採用を一時止めていた企業様の採用再開やWeb面接の環境が整ったことによって採用を活発化している状況があります。

さらに、今まではSI系の会社がメインでITエンジニアの採用を進めていましたが、コンサルティングファーム各社が大規模な採用を行っており、未経験者採用や第二新卒枠のポテンシャル層の求人が増加、若手の採用も活発になってきています。


■ まとめ
IT人材はマーケットのニーズも高く、採用難易度が高い状況が続いています。
そのため、候補者が魅力に感じるポイントを押さえつつ、自社の魅力を打ち出すことが求められます。

具体的には「何ができるか」だけではなく、「誰と働くのか」「どうやって働くか」をアピールできるかがポイントです。

「上流工程」 「自社開発比率が高い」 「自分の経験と開発環境の親和性」は引き続きアピールすべきポイントとなりますが、働き方改革の流れを受け、「働きやすさ」を重視する転職希望者が増加している傾向があります。

「どのような社風なのか」「どのような人と働けるのか」を重視する転職希望者も多くなっており、リモートワークの有無、出社は週に何回すればいいのか、どういった人々と働くのかなど、業務内容だけではなくコミュニケーション方法や教育方法についてなどのアピール・訴求も採用成功のカギとなっています。


ケーススタディによるHR forecasterのデータの読み解き方

HR forecasterでのデータの読み解き方についてみていきましょう。実際に、数字を見ながらどういった施策をとるべきかケーススタディの中で説明していきます。


ケーススタディ①:オファー年収が候補者の平均年収と乖離している&競合企業が多い

アプリのエンジニア経験3年かつプログラミングができる人材で調べた際の「HR forecaster」の診断結果です。

このケースでの注目したいポイントは、「平均年収」「競合の数」となります。
設定したオファーの年収と平均年収に75万円ほどの乖離が見られます。

また、「競合する他社求人数」が1,200社近く存在しており、なんらかの目立つ部分がないと応募してもらうのが難しい状況です。

そういった中で数値から見える打ち手として3点ほど考えられます。

①年収UP
②ターゲットの変更
③現状維持で他の優位性を創出する

この中で、多くの企業様が一番目に行う打ち手は「③現状維持で他の優位性を創出する」です。

エンジニアについて採用難が続いていることがわかっているものの、ターゲットを変えたくない現場様のご意向や、年収を変更すると給与テーブルが変わってしまうため年収を変更することは難しいという状況があり、まずは「③現状維持で他の優位性を創出する」に着手する企業が多くなっています。

採用フローの短縮や先ほどお伝えしたようなポイントの打ち出しを強化した求人票の刷新をやった後に「①年収UP」「②ターゲットの変更」を行う流れが多いです。

実際提示できる年収に要件を合わせていくのか、それともターゲットを優先していくのかについては常に判断が必要となるところです。

たとえば、経験年数を減らすのかまたは年収をあげるのか、採用まで時間がかかってもいいので条件を変更しないのか、といった点について現場と話しつつ決定していく必要があるでしょう。

難しい場合は、エージェントと連携をしながら、現場様とお話を進めていただくことをお勧めしております。

ケーススタディ②条件を満たす候補者数が少ない

このケースでの注目ポイントは「条件を満たす候補者数」です。

「条件を満たす候補者数」が約30人となっており、さらに「競合する他社求人数」も550社近くあり、それらの企業と30名を取り合うことになるため、かなり厳しい状況です。

そのため、この場合も以下の打ち手を考えていきます。

①ターゲットの変更
②現状維持で他の優位性を創出する
③現状維持で、個別スカウトの実施
④採用チャネルの拡大

特にオススメなのは、「採用チャネルの拡大」です。
30人しかいないハイクラスの採用を狙う場合は、チャネルを増やし間口を増やすことが必要です。

現在、「チームリーダーが抜けたので、それと同等の人がほしい」というような要望がかなり多い状況のため、高スキルのITエンジニアの採用を求めるとなると、採用難易度がかなり高くなります。

そこで「採用チャネルの拡大」の他、異なる人をリーダーに育成するため、リーダーの経験はないものの育成経験が豊富な人を採用するなど、条件を緩和するのではなく少し視点をずらすなどもしながら、打ち手を行っていくことをお勧め致します。

現場と話をする際に「さらに詳細なデータが欲しい」という場合は、「dodaへ相談する」というボタンを押していただくことで、詳しいデータを担当営業から提供できます。

一例として「社会人経験年数の分布」などが提供可能です。

30代を狙ったときに「条件満たす候補者数」の中にどれくらい30代がいるのかということを確認できます。これらのデータを見ていただきながら現場と話すことで、感覚的に「難しいです」と言って進めるよりも採用活動がスムーズに進むでしょう。


ケーススタディ③競合する他社求人数が多い

ここで注目したいのが「競合する他社求人数」です。

競合が6,000社を超えており、かなり多い状況です

現在、IT企業だけでなく、コンサル会社や大手企業などが未経験から育てるということで大量に募集をかけています。

これまではIT企業の中でどのように勝っていくかという状況だったのが、今は、小売業や製造業、コンサルなど他の業界も競合としてみなして判断する必要があります。
つまり6,000社の中には同業だけでなく、異なる業種も含まれているのです。

そんな中で下記4つの打ち手が考えられますが、若手採用において各企業がとっている施策は「2.現状維持で他の優位性を創出する」が多いです。

①年収UP
②現状維持で他の優位性を創出する
③ 認知度の向上
④個別スカウトの実施

①年収UP」は、対応できれば、かなり優位性を保つことができますが、 上位の方の年収もあわせて昇給の検討が必要になるため、なかなか実施しづらいかと思います。

そんな中で、「②現状維持で他の優位性を創出する」は採用部署内で完結できるので、対応しやすいでしょう。

たとえば、若手が気にするポイントとして、「教育されるのか」「一人常駐はあるのか」「一人常駐の場合、どのように評価されるのか」「どのような案件があるのか」など働き方、スキルの付け方、スキルがついたあとのキャリアの方向性、評価を気にする場合が多いので、求人票の刷新をする場合、その点を見直し追究していくことが必要です。

また、求人数がかなり多い状況なので、候補者が平行して受ける面接数も多くなるため、採用のフローの短縮を行うことで、応募率があがる場合が多くあります。

ITエンジニアの採用はかなり厳しい状況のため、データを見て、他社の状況も確認するなどできることは全てやることが、採用を成功させるためには必要です。


本日のまとめ

最後に、マーケットデータはコンパスと同じです。

要件定義や求人票をしっかり作成して、エージェントとも連携したにも関わらず採用がうまくいかなかった場合は、データを根拠にすることで現状の確認や何を変更したらいいのかの修正がしやすくなります。

今までなんとなくイメージで採用していたところから、データをもとに調べてから募集を開始することで、他の企業とも差をつけやすくなるのではないでしょうか。

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